病院機能評価事業 公益財団法人日本医療機能評価機構

Practica

Practica「知る」Vol.5を発行しました

【掲載日】2017年06月29日(木)

発行日 2017年06月発行
Practica「知る」Vol.5

 Practica「知る」Vol.5では、「チーム医療のよる診療・ケアの実践」をテーマとした改善事例を紹介します。

 報告いただいた病院の種別や役割は様々ですが、具体的な事例には、皆様の病院でも実践できるヒントがあるかもしれません。ぜひ参考にしてください。

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※ Practica「考える」では、評価項目の考え方のヒントを紹介します。併せてご活用ください。

※ 本冊子の情報は、認定の判定基準を示すものではありません。

※ 一部表記を「病院機能評価 機能種別版評価項目<3rdG:Ver.1.1> 解説集」に則り、趣旨を損ねない範囲で改変させていただいております。

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事例1:RST(呼吸サポートチーム)の立ち上げと活動

【受審時の機能種別】

 リハビリテーション病院(100床以上)

【提出部署/委員会】

 病院機能評価委員会

 

【活動の背景・きっかけ】

 呼吸リハビリテーションや人工呼吸器管理を必要とする患者さんの増加に対し、適切な呼吸お
よび人工呼吸管理を行える必要性があった。

 

【活動の内容・成果】

 RST立ち上げは平成26年6月。
 神経筋疾患患者を中心とした呼吸器管理体制の構築と呼吸リハビリテーションの質向上をはかった。

 

【工夫・アピールポイント】

 神経筋疾患患者等を中心に経皮的PCO2/SpO2モニタリタリング(TOSCA)、IPV(肺内パーカッションベンチレータ)の活用、病棟ラウンドとその後の症例検討、学習会、職員教育等の活動を通じ、呼吸器管理体制の構築と医療の質向上に貢献している。
 特に学習会は呼吸器の基本的な解剖学、疾患の特性等について、看護師、理学療法士、作業療法士、介護職員、医師等多職種が参加し、知識の習得とあわせてMI-E機器の実技指導も行っている。
 その他、年に3回、RST通信を院内向けに発行し、活動の周知や啓発をしている。

 

【今後の課題】

 1)今後もRST活動を通じ、職員の知識や技術の向上を目的とした学習会の継続し、職員が統一した呼吸ケアができるようにする。
    2)今後は口腔ケアや栄養管理、感染対策などを充実させるため、管理栄養士や感染認定看護師(平成25年養成)等をメンバーに加える。
 3)専門医師の確保

 (提出月:2015年5月)

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事例2:電子カルテへの介護記録実施

【受審時の機能種別】

 リハビリテーション病院(200床以上)

【提出部署/委員会】

 病棟/介護福祉士会・助手会

【活動の背景・きっかけ】

 介護職は、看護助手・介護福祉士で構成されている。その中で、介護福祉士の質を上げていく必要性を感じていた。介護福祉士はカンファレンスへの参加や、患者のケアなど多岐にわたり介入しているが、介入したことを証明する手段を有しておらず、メモ書き程度のレベルであった。また患者の情報収集も他職種からの報告や患者・家族からの話の中から得る情報のみであった。

【活動の内容・成果】 

介護福祉士の人数が増えていく中で、介護福祉士の質の向上を目的に、2013年7月に介護福祉士推進委員会を立ち上げた。推進委員会の中で介護福祉士の現状や問題点、課題を整理した。課題の中の一つ「ケアの実践を証明する」に対して、電子カルテでの記録開始に向けて取り組んだ。
<電子カルテ参入までの取り組み>

時期

具体策

詳細

2014年4月~

学習会

電子カルテ・個人情報・FIM・日常生活機能評価

2014年5月

学習会

各自で電子カルテから情報収集できるようになる

2014年7月

記録ワーキングの立ち上げ

2014年8月~

記録学習会

記録開始

担当患者を決め、記録マニュアルに従い記録を監査する

★紙運用で開始

★法人老健施設へ介護福祉士の記録について、ワーキンググループと共に情報交換行う

2014年11月

電子カルテでの記録開始

【工夫・アピールポイント】

 <工夫>
 学習会開催について、シフトで勤務しているため全員に1回で研修を終えることができないため、同じ研修を複数回実施。また病棟に講師が出張して個別指導を行った。
 新しい事への取り組みで、介護福祉士の不安が大きく、前向きに取り組んでもらえるよう促していくことが苦慮した。

<アピールしたい点>
 電子カルテへの苦手意識が強かった介護福祉士も、弱音を吐かず、マニュアル片手に、患者の情報収集や記録に前向きに取り組んでいる。
 記録に残すことで、患者のリハビリ時間以外の生活状況や、ADL状況がさらに詳細に把握できるようになった。

【今後の課題】

 介護職のキャリアアップの仕組みを構築し、介護職一人一人がやりがいと達成感を持ちながら、患者・家族に寄り添ったケアを確立できるよう、今後育成していく。キャリア段位制度を活用し、内部評価・外部評価につなげていきたい

 

 (提出月:2015年5月)

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事例3:緩和ケアチームの立ち上げと取り組み

【受審時の機能種別】

 一般病院2(200床以上499床以下)

【提出部署/委員会】

 看護部/緩和ケアチーム

【活動の背景・きっかけ】 

認定看護師を中心に緩和ケアを行っていたが、より質の高いケアを提供するためには、多職種による組織的支援が必要となってきたため。

【活動の内容・成果】

 2014年10月に多職種からなる緩和ケアチームのメンバーを選出し、病院緩和ケアマニュアルを分担して作成しながら、院内へのコンサルテーションの手順を整えた。その間、チームメンバーの緩和ケア研修、職員への研修を企画し学習を進めた。
 2015年5月、職員・患者への広報を行い、6月から緩和ケアチームとしての活動を開始した。今年度も緩和ケアの研修会を企画し、事例カンファレンスを重ねながらチームの活動評価を行っていく予定である。

【工夫・アピールポイント】 
 
 緩和ケアマニュアルは、手順書として活用できるように症状緩和のガイドラインの文献や県内及びグループの医療施設間での情報を活用して作成した。

【今後の課題】
 
がん性疼痛に関する薬剤師による研修会や、シリンジポンプ等のME機器導入に合わせた研修会等を各職種の協力を得ながら進めていく。

 

 (提出月:2015年5月)

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事例4:呼吸ケアチームの発足と活動について

【受審時の機能種別】

 リハビリテーション病院(200床以上)

【提出部署/委員会】

  看護部/呼吸ケアチーム

【活動の背景・きっかけ】

 当院の内科の患者さんの大半は呼吸器疾患の患者さんである。私自身も疾患を抱える患者さんの「息苦しさ」の不安や、それを傍で看ている苦悩を通して、呼吸ケアの必要性を感じるようになった。同じ思いを持つ他職種のメンバーと共に、呼吸ケアをもっと充実させていきたい、と考え立ち上がった。

 【活動の内容・成果】

呼吸ケアチームは呼吸器内科医師・歯科医師・看護師・理学療法士・作業療法士・臨床工学技士で構成。まだ発足後半年ほどで期間は短いが、人工呼吸器管理を含む呼吸ケア全般の標準化と質の向上、安全性管理、スタッフの教育を目標に、月1回の全成人病棟を対象にメンバーでラウンドを実施している。カフ圧計の正しい使用方法の統一、ポジショニング等のアドバイスを現場で実施することで安全なケアを提供することにつながっている。
 
 また、2014年9月に「パルスオキシメーターの正しい取扱い方」「ASV」についての全職員対象研修を行った。正しいパルスオキシメーターの測定方法や酸素飽和度の評価などについて学ぶ機会となった。 2015年3月からは排痰・スクイージングに関する指導プログラムを開始。全成人病棟に勤務する看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を選出し、呼吸ケアが必要な患者に対して、安全かつ正しい体位ドレナージ・スクイージングが実践できるように呼吸器の基礎知識と実技研修を組み合わせて指導。受講者は各病棟のケアサポーターとして活動してもらう。

 参加者は34名に限定している。現在第1グループの講義が終了した。このプログラムを行うことで、呼吸器疾患に関する知識および、排痰介助・スクイージングの技術向上が期待できると考えている。

 

【工夫・アピールポイント】

 呼吸ケアチームはどの施設も人工呼吸器の管理を中心としてラウンド・ケアの見直しなどを行っているが、当院は回復期リハビリ病棟もラウンド対象にしている。排痰介助が必要な患者や、気管切開の患者などの呼吸ケアについて、現場で病棟看護師やセラピストと共に見直しを行っている。 柵設置から考えるのではなく、3点柵の活用から考えるように意識付けされた。

 【今後の課題】

  • 呼吸ケア全般の標準化を目指し、院内マニュアルの作成を行っていきたい。

 

 (提出月:2015年5月)

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事例5:病棟主治医を囲んで行う多職種カンファレンス

【受審時の機能種別】

 一般病院1(20~99床)

【提出部署/委員会】 

 看護部

【活動の背景・きっかけ】

 当院は小規模病院であるため、なかなか病棟専属医を配置することができない。そこで、入院患者の主治医を中心に多職種が定期的に集まって、入院患者の情報を共有してチーム医療を強化し、病棟専属医が不在であっても可能な限り質の高い医療を提供する体制を構築することとした。

【活動の内容・成果】

 

<構成要員>
 看護師、セラピスト(理学療法士/作業療法士)

<活動内容>
 平成26年6月に多職種カンファレンスの基準や手順を作成し、翌月7月より各主治医を囲んで月1回カンファレンスを開催し、現在に至る。
 メンバーは、病棟患者の主治医3名、看護師、薬剤師、栄養士、地域連携ほか外来、関連部署の職員。
 情報交換の主な内容は、以下のとおり。

○入院中の患者について現在の状態、今後の見通しなどの情報交換、治療方針、看護方針の確認を行う
○外来通院中で、今後入院予定の患者についての情報提供
○インシデント・アクシデント事例の振り返り、検討 など

【工夫・アピールポイント】 

 今後は、すべての職種が何でも話し合えるカンファレンスにしたい。

 

 (提出月:2015年5月)

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