病院機能評価事業 公益財団法人日本医療機能評価機構

Practica

Practica「知る」Vol.1を発行しました

【掲載日】2016年12月20日(火)

発行日 2016年12月発行
Practica「知る」Vol.1

 Practica「知る」Vol.1では、「医療の質」をテーマとした改善事例を紹介します。

 報告いただいた病院の種別や役割は様々ですが、具体的な事例には、皆様の病院でも実践できるヒントがあるかもしれません。ぜひ参考にしてください。

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※ Practica「考える」では、評価項目の考え方のヒントを紹介します。併せてご活用ください。

※ 本冊子の情報は、認定の判定基準を示すものではありません。

※ 一部表記を「病院機能評価 機能種別版評価項目<3rdG:Ver.1.1> 解説集」に則り、趣旨を損ねない範囲で改変させていただいております。

 

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事例1:病院機能評価の審査結果による医療の質改善活動

【受審時の機能種別】

 一般病院2(500床以上) 

【提出部署/委員会】

 総務部/ISO・医療業務支援部

【活動の背景・きっかけ】

 病院機能評価の担当部局であるISO・医療業務支援部において、平成25年8月に実施した病院機能評価の審査結果から、医療の質向上に資する活動ができないかとの意見から始まった。 

【活動の内容・成果】

 当院における医療の質向上を底上げするために、平成25年8月に実施した病院機能評価の審査結果において、「B」および「C」評価となった項目について、関係部局に改善状況(以下の項目等)を確認した。

 (1)原因

 (2)改善の状況

 (3)改善のためにとられた是正処置

 (4)具体的内容

 (5)実施結果

 (6)今後の課題と計画

 まだ活動の途中であるので、大きな成果は出ていないが、問題を認識し、今後、PDCAのサイクルとして回すには一定の効果はあったと考えられる。

【工夫・アピールポイント】

 今回、この活動は、初の試みであったので、関係部局の理解を得るのに時間がかかった。日常業務を行いながら、評価レベルの改善を行うには、時間と予算がかかることを認識した。

【今後の課題】

 平成26年度・・・・・・・改善状況を照会し、現状把握。

 平成27年度前半・・・再度、改善状況照会し、平成26年度からの進捗状況を把握。改善が必要な場合、期限を付けた是正勧告を行う。

 平成27年度後半・・・次回の更新審査に向けて、準備作業を開始。

 平成28年度前半・・・サーベイヤー派遣【3名】を受ける → 指摘事項を改善

 平成28年8月・・・・・更新審査受審

 (提出月:2015年5月)

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事例2:クリニカルパス集計表の運用

【受審時の機能種別】

 一般病院2(500床以上) 

【提出部署/委員会】

 経営企画課

【活動の背景・きっかけ】

 院内採用されているクリニカルパスのほとんどが紙で運用されているため、その集計は非常に煩雑で、これまでバリアンスやアウトカムの集計が困難であった。

 この度、電子カルテ内にクリニカルパスの集計を行うための仕組みを導入することができたため、パスの見直しやバリアンス集計が可能となった。

【活動の内容・成果】

 平成26年3月、既存の電子カルテの文書作成システムを応用し、クリニカルパスのバリアンス集計を入力する仕組みを導入した。

 平成26年4月より運用を開始し、パスを使用した全入院患者について、適用日、バリアンス等を入力することで、パスの使用状況やバリアンスの状況がデータで蓄積されるようになった。

 平成26年7月より、クリニカルパス推進委員会において蓄積されたデータの分析を行い、適用率やDPC入院期間との比較を行い、平成26年10月より具体的なパスの見直しを開始した。

 その結果、見直しを行ったパスについて、平均在院日数の短縮やDPC期間Ⅱ超率の低下がみられるようになった。また、診療データと結びつけが可能となり、DPC入院期間に即したあらたなパスも作成された。

 次年度からはパス集計表を用いたバリアンス分析を委員会の中で行っていく予定。

【工夫・アピールポイント】 

 まずはパスの利用状況を見える化したこと。
 DPC様式と結びつけることで、DPC入院期間Ⅱに基づいたパスの見直しを行ったこと。

【今後の課題】

 パス集計表の本来の目的であるバリアンスとアウトカムの分析ができていない。1年間のデータが蓄積したことから、次年度から委員会を中心にバリアンス分析を行う。

 (提出月:2015年5月)

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事例3:KOMI理論

【受審時の機能種別】

 一般病院1(20~99床) 

【提出部署/委員会】

 看護部

【活動の背景・きっかけ】

 平成6年の看護管理研修で学習し、これこそ本来の看護と実感し、当時導入看護論の無かった当院にぜひ導入したいと考え、今日までコツコツと学習を積み重ねながら定着に至ったものです。多くの医療機関で看護診断などが導入されている現状で、個別性を重視しながら患者さんに寄り添う温かい看護の実践の基礎になるKOMI理論は、大変特別なものと考えております。

【活動の内容・成果】

 このKOMI理論は、人間を60兆個の細胞を持った生活者としての視点で見ていきます。看護覚書の中にある本来の看護、「看護がなすべきことは自然が患者に働きかけるにもっともよい状態に患者を置くこと」という看護の定義を愚直に実践し、生活にかかわるあらゆることを創造的に、小さくなりつつある生命力の幅を広げ、また今以上の健康増進と助長をめざし(時には死にゆく過程を限りなく自然死に近づけるよう)、その人の持てる力が最大に発揮されるようにしながら、生活の自立とその質の向上を図ろうとするケアで、具体的には5つの看護の物差しを活用しながら実践していくケアです。

 <5つのものさし>

 (1)生命の維持過程を促進する援助

 (2)生命体に害となる条件状況を作らない援助

 (3)生命力の消耗を最小にする援助

 (4)生命力の幅を広げる援助

 (5)持てる力・健康な力を活用し高める援助

 【工夫・アピールポイント】

 KOMI理論を急性期の多忙な病院でもきちんと展開できるように、理論を踏まえた開腹術後急性期スタンダードケアプランおよび開腹術後急性期ケアリングパスを学会発表し、以後看護現場で活用していること。

【今後の課題】

 看護部門においては、不定期ではあるが人の出入りがあるため、患者様のために素晴らしい理論や折角開発した便利なツールを導入していても、すべての職員が同じように熟練しているという状況を作り出すことがなかなか難しい。従って、今後も定期的な研修を継続することと、日常的に看護現場において、先輩が後輩に丁寧な指導するという状況を、今までと同様に続けていくことが必要であり、そのための努力がどうしても不可欠と考えている。しかし、それができてこそ当院の素晴らしい看護であるため、総力で継承をしていきたい。

 (提出月:2015年5月)

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事例4:土日、祝日でのリハビリテーションの取り組み

【受審時の機能種別】

 一般病院2(500床以上) 

【提出部署/委員会】

 リハビリテーション科

【活動の背景・きっかけ】

 急性期病院のリハビリテーションとしての対応を考える

【活動の内容・成果】

 これまでは土曜日のみリハビリテーションを開催していた。しかし、急性期病院として当院が変容していくに従い、在院日数が短縮、質の濃いリハビリテーションが求められるようになってきた。

 マンパワーが充足されるにつれ日曜日の開催が可能と見込まれ、平成26年10月より日曜日の開催を開始した。地域連携パスの患者を中心に、発症間もない患者を優先に開始。

 1日当たりの単位数や、入院あたりの実施密度が向上している。

【今後の課題】

 現在は脳卒中や整形疾患のみであるが、今後は疾患として多い心不全や誤嚥性肺炎の症例における対応を検討する。
 4月からは祝日の開催を行い、マンパワーの充足に伴い全患者を終日行えるように体制を整える。

 (提出月:2015年5月)

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事例5:中央検査部精度管理委員会の開催

【受審時の機能種別】

 一般病院2(500床以上) 

【提出部署/委員会】

 中央検査部

【活動の背景・きっかけ】

 中央検査部精度管理検討委員会がしばらく開かれていなかったため。

【活動の内容・成果】

 中央検査部精度管理委員会を本年度3回開催し、そこでは各サーベイの結果を中心に評価の低かった項目について、その原因を追究すると共に、日常業務内容についても確認している。

 こうしたことが、各室員のデータ管理意識の向上につながっていると思われる。

【今後の課題】

 育休・産休職員が7名あり、その補充に臨時職員を充てているが、検査の質低下を招かぬよう注意を払っている。

 (提出月:2015年5月)

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 Practica「知る」Vol.2 では、引き続き「医療の質」をテーマに改善事例を紹介します。

 今後、Practicaにて取り上げてほしいテーマや内容がございましたら、評価事業推進部 病院支援課(jushin@jcqhc.or.jp)までご連絡ください。

Practica「知る」Vol.1


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